土曜日、当番で月に1回駅前のホテルへ行く。コロナ感染で療養中の方のオンライン診察。「熱が37.6度、喉が痛いっす」。高校１年生、野球部で寮生活。「咳は？」「減りました」「ご飯は？」「弁当、旨いっす」。画面でみる限り元気そうで安心。薬を処方。ウイルスには効かなくても心に安心を届ける。「ポジションは？」と余分なことを聞く。「ピッチャー」と嬉しそう。「得意な球種は？」「ストレートっす」。
「咳が夜中からひどくて」と次の26才の女性。画面の向こうでもコンコン咳してなかなか話せない。熱も38度。担当の看護師と相談し、肺のＣＴと血液検査の手配を進める。ホテル療養中も入院の準備はいる。
「右の耳が夕べから聞こえにくくて」。30才の男性。うむ、と考える。咳がきっかけかも知れない。ホテル退所後にも難聴あれば耳鼻科の先生にかかるよう指示。
別の日の土曜日。「鼻汁とのど痛、元々花粉症で」と58才の会社役員さん。かかりつけ医からの薬を続けてもらうように言う。「感染経路についてのご自身の推測は？」と聞いてみた。県外出張を終えＰＣＲ検査を出張先で受けると陰性。帰ってからのど痛くかかりつけ医で抗原テストを受けたら陽性。「ＰＣＲ検査会場、狭くて人が多く、ひょっとして、と思ったんです」。否定はできない。
「昨日から味と臭いがしない」と立派な体格の30才男性。従業員一人の会社の社長。二人で居酒屋へ。いろいろと話しを聞いた後、「どんな臭いかいでみたい？」と尋ねたら「香水」と返って、思わず双方笑ってしまった。「10日待てば戻ることもある」と言うと「安心しました」。
地方も都市もコロナ感染第７波、一斉に広がっていく。在宅もホテル療養も、しばらくは続きそう。 |
